久しぶりにハーマンミラーのイームズ・デザイン、アルミナムグループ・マネージメントチェアを5脚仕入れました。
中古品の通称アルミナムチェアやソフトパッドグループチェアは「エンドキャップ」が欠損している事が良くあります。
今回、仕入れした5脚のうち3脚も欠損していました。

ネット上にこのエンドキャップの欠損について誤った記事があったので、今回はこのパーツについて説明したいと思います。

エンドキャップとは座面下のリクライニング機構の両端に付いた円柱状のパーツの事です。

このエンドキャップがないと椅子が故障するのではと心配されたり誤解されている方もいらっしゃいますが、このパーツの欠損が直接の原因で故障する事は絶対にありません。
心配されている方はご安心下さい。

この事はハーマンミラーのメンテナンスにもこの15年間で3回ほど確認しています。
(エンドキャップを購入する際や検討する時に念のため確認します)

エンドキャップはイモネジ1本で本体の四角い突起に取り付けられています。
本体にはイモネジを固定するネジ穴などはありません。
つまり、エンドキャップ自体がイモネジの締め付けのみで固定されているわけです。

イモネジのみで固定されたエンドキャップが、例えばリクライニング機構の軸のズレなどの強力な力が掛かった場合にそれを防止する事は強度的に考えられません。

リクライニング機構の軸のズレなどの防止が目的で付いているのであれば、少なくとも本体の四角い部分にネジ穴やクボミがあったり、もしくは、振動などでも緩まないパーツで本体と固定するはずです。

また、本体のリクライニング機構の軸の内部も画像のように直接エンドキャップに接触する箇所はありません。

もし、軸の中の構造パーツがズレきたり飛び出してきた場合は、このエンドキャップでズレを防ぐ事は不可能です。
エンドキャップなしで使用して故障したというお話を聞いた事がありますが、原因はリクライニング機構内部でのパーツの劣化など他の理由による故障なのです。
もちろんエンドキャップが付いていても起こりえる故障です。

エンドキャップはそれなりのお値段がします。
私はエンドキャップがあった方がかっこいいと思うので購入をお勧めしますが、注文からお手元に届くまで12~13週間掛かります。
(画像の黒色のエンドキャップは生産終了しています)
特に購入の必要がないと考えた場合はそのままご使用されても全く問題ありません。